もうそうどう

毛巣洞

同義語
毛巣瘻
最終更新日:
2024年04月16日
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2024/04/16
更新しました
2017/04/25
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概要

毛巣洞とは、主に肛門(こうもん)のやや上の皮膚に小さな穴が開き、皮下に空洞ができた状態のことです。(わき)に生じることもあります。体毛が皮膚の下に潜り込んで伸びることで生じると考えられており、特に体毛が濃い男性に多く見られるといわれています。

通常、毛巣洞を生じても目立った自覚症状はありません。しかし、細菌感染が起こると患部の痛み、腫れ、赤みなどの症状が現れ、重症化すると内部から(うみ)が漏れてくるケースも少なくありません。このような感染を繰り返すことで、皮膚の下の空間が拡大していく傾向にあります。

感染が生じている場合は、皮膚を切開して内部にたまった膿を排出させる治療や抗菌薬の投与が行われます。また、根本的に治療するためには毛巣洞を切除する手術が必要です。

原因

毛巣洞はお尻に生えている毛が何らかの原因で皮膚の内部に入り込んで成長し、皮膚の内部に空洞が形成されることで生じると考えられています。

男女ともに起こる可能性がありますが、特に体毛が濃い男性に発生しやすいといわれています。中でもタクシーやトラックの運転手など、長時間座った状態で過ごすことが多い人に生じやすいのが特徴です。

症状

毛巣洞があったとしても普段は自覚症状もなく、お尻にできた場合は自分から見えにくい部位であるため発生に気付かないケースも少なくありません。しかし、毛巣洞の内部で細菌感染が起こると、毛巣洞周囲の痛み、腫れ、赤みなどの症状が現れ、悪化すると内部にがたまって穴から漏れ出ることもあります。

また、このような感染を繰り返すことで、内部の空洞が徐々に広がっていくこともあるため注意が必要です。さらに、毛巣洞に繰り返し感染が生じると、将来的に有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)んと呼ばれる皮膚がんの一種を発症するリスクが生じることも分かっています。

検査・診断

毛巣洞の穴からは体毛が飛び出していることがあります。このような特徴的な所見が認められる場合は、見た目のみで毛巣洞と診断されるのが一般的です。一方、穴から毛が出ていない場合は痔瘻など他の病気との鑑別を行う必要があり、超音波やCTなどによる画像検査で穴の内部の状態を調べる検査を行うことがあります。

治療

毛巣洞に感染が生じた場合は、内部にがたまるなど重症化することもあるため、抗菌薬の投与や皮膚の一部を切開して内部にたまった膿を排出させる治療が必要です。

また、感染を繰り返す場合には毛巣洞を手術によって切除する根本的な治療が行われます。切除後の傷は、そのままにして薬を塗って治す場合と、手術時に周囲の正常な皮膚や皮下組織の一部を移動して閉じる場合があります。

ただし、手術を行っても長時間座っている状態が続くことで再発する場合もあります。そのため、生活習慣を見直すことも大切です。

予防

毛巣洞は体毛が濃く、タクシーやトラック運転手の仕事に従事しているなど長時間座った状態で過ごす人に発症しやすいとされています。発症を予防するためには長時間座ったままで過ごすことを避け、お尻をできるだけ清潔に保つことが大切です。

また、発生した後に放っておくと感染を繰り返すことがあります。気になる症状がある場合は、できるだけ早めに医療機関に相談しましょう。

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